本日の幻覚

"You're waiting for a train. A train that will take you far away. You know where you hope this train will take you; but you don't know for sure. But it doesn't matter. How can it not matter to you where that train will take you?" Inception (2010)

セントオルカと俺とサンドガールちゃん

大変なことになってきちゃったな、と感じた。アプリゲーム「Last Origin」の期間限定イベント「復刻 セントオルカの秘密作戦(以下、セントオルカ)」を読んでいてのことだ。
というのも、俺の嫁ことサンドガールちゃんに、なんだかめちゃたくさんセリフがあるのである。

 

「セントオルカの秘密作戦」は2020年12月にリリースされた期間限定イベントで、今回のイベントはその復刻開催にあたる。わたしはセントオルカをプレイするのは初だったが、このイベントに俺の嫁ことGS-10サンドガール、愛称「サンドガールちゃん」に登場するのは知っていた。攻略wiki知識である。
わたしは、「どんなセリフかな?テキスト何文字あるのかな。誤タップで読み飛ばさないように注意しておかないとな。うーんなんだか緊張するな」などと考えていた。
サンドガールちゃんは、とってもかわいい脇役である。サンドガールちゃんはゲーム内ランクは「B級保護機」だ。このゲームのレアリティはB~SSなので、B級は最もコモンなランクだ。大量生産されたバイオロイド――そう、このゲームは「工業製品」として生み出された女の子たちを使って戦う――で、入手は容易く、燃費もよく、しかし戦力は心もとない。保護機というのはいわゆるタンク役なのだが、いわゆる「かばう」スキルである”指定保護”もデフォルトでは持たない*1。当然、人気も少ない。そりゃ~そうである、だってよほどの縛りプレイでなきゃ、B級保護機なんて使わないもの。とても儚く、しかしハチャメチャにかわいい、もうものすごくカワイイ、とってもカワイイわたしが大好きなマイナーな脇役、それがサンドガールちゃんなのだ。
なのだが。

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サンドガールちゃんが喋るたびにスクショしていたら何が何だかわからなくなってしまった。
めっちゃ喋る!
びっくりしてしまった。そして急に恐ろしくなった。日頃、サンドガールちゃんの数少ないセリフを聞き込み、脳内で暗唱し*2、一枚しかない立ち絵*3を大事に見つめていた、あの退屈だがどこか安らかな日々。それが急に遠くに感じられた。いかん、刺激が強すぎる。ボートしか着かないような漁港に、いきなり豪華客船が寄港してしまった。


しばらくゼイゼイと数話読み進めたのち、アプリが”また”クラッシュした。
「Last Origin」は大変重い*4アプリで、わたしの環境ではしばしばアプリが止まり、しばしば再インストールを余儀なくされる。幸いアカウント連携機能が充実しているので大したことではないのだが。
再インストールには少し時間がかかる。わたしはこれを天からの贈り物だと思った。神は言っている。「急いで食うな、ゆっくり食え」――と。
お言葉に甘えて、わたしはゆっくり読むことにした。なにせ「Last Origin」のイベント期間は長い。この復刻イベントは2021/12/22から2022/1/12まであるのだ。ソシャゲのかき入れ時にこんな様子で大丈夫か?と心配になるが、こののんびりペースがLast Originのいいところだ。


遅かれ早かれわたしはセントオルカを読み終えるだろう。その感想はたぶんここには書かないと思う*5。サンドガールちゃんのセリフはこの先何行かあるかもしれないし、もしかしたら皆無かもしれない。だが、いずれによ揺るがない事実がひとつある。セントオルカで、サンドガールちゃんは生きていた。楽しそうに。それは現実で、その現実がわたしは涙が出るほど嬉しかった。


気になることが少しあって、このセントオルカのサンドガールちゃんは「どの」サンドガールちゃんなんだろう?ということだ。先述のようにバイオロイドは大量生産された工業製品で、とりわけGS-10サンドガールは低級戦闘員なのでたくさんいる(と思われる)。ただ、それを言い始めるとシナリオにならないので、LastOriginのシナリオでは暫定的に「とある一個体」を取り上げて物語にしているのである。わたしはGS-10サンドガールをたくさん育てているので(厳密にいえば、愛称「サンドガールちゃん」はそのうちの一個体である)、今回のお話に登場したGS-10はどのGS-10なんだろう?なんてことを考えたりする。それはとっても楽しい空想だ。年末年始は、この空想を肴に過ごそうと思う。


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それではみなさん、よいお年

*1:A級へとランクアップすれば持つようになる

*2:一番好きなセリフは親愛時πタッチボイス、一番泣けるセリフは誓約時の……ウッ、ウウ

*3:表情差分はあるもん!

*4:ちなみにサンドガールちゃんの体重も、身長からしてみれば重めな方なのだが、これは保護機としての防御性能込みの数値なのだと思われる。いろいろデカいと嬉しくなる性分なのでうれしい。

*5:「感想を書こう」と意気込んで読むと、没入感が損なわれるためです。