本日の幻覚

"You're waiting for a train. A train that will take you far away. You know where you hope this train will take you; but you don't know for sure. But it doesn't matter. How can it not matter to you where that train will take you?" Inception (2010)

推しカプは踊る

ダンキラ!!!-Boys, be DANCING!-の9章を読んだ。

最高だった。見たかったもの、ほしかったもの、が想像を遥かに上回るクオリティで眼前にあった。こんな幸せなことがあっていいんだ、と思った。これはゲームと推しカプ――晶×蛍――に心を乱されまくった、ひとりの同人女(※腐)の個人的な記録、つまりは日記である。

※感想や考察ではなく、日記としての側面が非常に強い記事です。ご容赦ください。

※筆者は晶×蛍のカップリングに10カ月以上強めの幻覚を見ており、同人誌まで出しているので、発言の全てにバイアスがかかっています。発言は全て個人的な幻覚なのでご理解ください。

※ダンキラ!!!-Boys, be DANCING!-は最高のゲームなので、まだプレイしていないひとはこんなブログを読んでないでぜひDLをしてください。DLはこちらから→http://app.adjust.com/gp226t9

 

時は遡り2月27日 ――定例メンテナンス前日

その週、わたしは荒れていた。9章、わたしの推しチーム「エトワール」がメインを張る新章の実装が近づいていたためだ。なおこの時点で9章の実装告知はなく、またどのチームがメインなのかも判明していないので、上述の懊悩は全てわたしの幻覚である。一応補足するならば先日実装の新規ワークス「精霊のミュゼット」がエトワールらしい曲だったこと、8章実装から数カ月経過していたこと、また8章ラストの展開、そこからの推測ではあった。

非常に楽しみではあるけれど、不安も強かった。もしエトワール回が来るのであればこれは2度目にあたる。けれど1度目のメイン回・2章はキャラ紹介の側面が強い。エトワールのキャラクター、とりわけ影宮蛍と月光院ノエルには語るべき伏線がまだまだ多く*1、シナリオと調和したかたちでどのようにキャラ造形が深まっていくのか……、期待がはちきれんばかりに膨らんでいた。それはいっそ恐怖でもあった

心が荒れると部屋の掃除をするタイプなので、その週は自宅のデスク周りを片づけて過ごした(なお2月も最推しの紫藤晶の誕生日だったので、心がめちゃめちゃに荒れ、部屋の模様替えをした)。 電子環境の方の模様替え(Twitterのヘッダーの清書)もした。わたくしごとではあるが、お陰でたいへん過ごしやすい環境が手に入った。

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うん、素晴らしい。

そして満を持して迎えた定例メンテナンス明け――次イベント「紅鶴ポリス」の告知だ。だがそこに新章告知はなかった。

極限まで高まったストレスから解放された安堵からあたまがパアになってしまい、その夜はフォロワーと一緒にミニスカポリスかげみやけーくんの妄想をして過ごした。

それからしばらくは凪期であった。紅鶴ポリスの報酬内容について色々とありお陰で心が散り散りにはなったが*2、良くも悪くものんびりと過ごした。ねこみみウェアを愛でるのにも忙しかったしね。

だがその安寧の日々は突如として終焉を迎える。

 

3月6日 ――9章実装告知、メインキャラ判明

https://twitter.com/dankira573/status/1235852620868149250

いや、聞いてないよ!?

いや落ち着け、『告知』なんだから当然だろう。

まさかの「影宮蛍」主人公告知である。まさかの、とは書いたもののある程度予測していた気もする。それでも「まさかの」なのだ。てか、蛍が主役張るってこと、そしてこの筋書きから言って、3人のピックアップキャラクターのうちひとりはほぼ確実に晶じゃん*3。ということはつまり、………晶と蛍が会話するじゃん、シリアスな文脈で! 端的に言ってヤバイ。ヤバイ。ヤバイ!

お陰で、中二ポエムを量産する恥ずかしい人間と化してしまった。いい歳をしてなにをと思うが、こういうときにポエムらなくてなにが人間だという気もする。

 

備えよう

発狂から少し立ち直ってまず考えたのは、この至高の推しカプ供給(予想)を最高の形で迎えるために備えようということだった。こういうとき、自分が何をするかは決まっている。原作を読み返すこと、そして絵を描くことだ。

まずメインストーリー1~8章を読み返した。これはなかなか大変だった。なにせオート再生だと、1章あたり軽く2時間程度かかる。今回は時間の都合で、オート再生での視聴は残念だが1章と2章のみに留め、残りはタップ操作で通読した。余談だがダンキラのメインストはフルボイスなのだが、台詞の進行に合わせて3Dモデルがよく動き、またカメラワークも工夫されている。オート再生だとアニメを見ているかのような感覚を味わえ本当に素晴らしい。

そして個別のキャラストーリーも読み返した。これも全てを読むには時間的・精神的余裕が足りなかったので、9章のメイン(予想)3名、蛍・晶・光国のRストを中心に再読した。これも余談だが、わたしは初期Rスト3種と「自分について」ボイス1~3、「ダンスについて」ボイス1~2を特別に思っている。それというのもこれらは最初期に実装された、言わば各キャラの看板だからだ。なので深く知りたいと思った時、わたしはこれらに立ち返ることにしている。

最後に絵。

自分の描いたものをだらだらと話すのは気が引けるのだが、まあなんというか、自分が抱いている感傷を表出することができたので、自分では気に入っている。

思えばこの10カ月、特に120ボイスを開けての半年は、晶と蛍が向き合っている絵ばかり描いていた気がする。

上手く言えないのだが(上手く言えないので絵にするのだが)、このふたりの関係性が、なんらかのかたちで結実してくれれば、そしてそれが幸せなものであればいいと願った。晶蛍が好きだなあと思った。

 

そして運命の日 ――実装当日

その日は全力で定時退社した。駆け足で帰宅したらまだメンテナンスが明けていなかったので、爆速で風呂と夕飯を済ませた。そして運命のメンテ明けを迎える。

新章と同時実装される新規カードのうち、チェンジ前絵はストーリー内スチルなのだが、晶がホタルの光に包まれて優しくほほ笑んでいた。晶の幼馴染の名前は影宮蛍(かげみやけい)といい、「蛍」という漢字の訓読みは「ホタル」である(そりゃそうだ)。元より死ぬ覚悟だったが、まさか読む前に殺されるとは思わなかった。

そしてわたしは、9章をキメた。

 

 

翌日、わたしは普通に仕事へ行った。正直言って社会生活を送っている場合ではなかったが、稼がなければ推しのガチャを回すことができない。昼休みにぼんやりとTwitterを眺めていたらフォロワーが「夢じゃなかった」と言っていて、なるほど夢じゃなかったんだなと思った。

その夜は、有志によるDMグループチャット『晶蛍の墓』に参加した。初対面の方も多く大変緊張したが、素晴らしい時間を過ごさせていただいた。ひとつひとつ言葉を選びながら、ひとと萌えを共有することのなんと楽しいことか。この場を借りて感謝を申し上げる。

あくる日わたしはたまたま休暇だったので、一日家で過ごした。やまほどラフを描いたけど、そのどれもが自分の気持ちを表現するには足りないように思えて、全く完成させられなかった。

 

9章について、語りたいことは山ほどある。

何度も読み返して、何枚も同じスクショを撮った。けれどどんな言葉を尽くしても、言いたいことが伝えられる気がしない。

だけどたぶん言いたいのはこの一言だ。

めちゃめちゃ面白かった。

そう、面白かった。面白かった。面白かった! 萌えたし狂ったし推しカプだったし、晶と蛍が息をしていて会話もしていて(わたしの錯覚かもしれないがハグもしていた気がする)、それに加えて、というかそれにも増して、面白かった。この面白さのどこまでがわたしの幻覚なのかはこの際どうでもいい。最高に面白いシナリオで推しカプに狂える。この幸福よ! 

直前のメインスト再読も最高に効いていた。全てのキャラが愛おしく感じられた。7章8章も面白かったけれど、更に面白くなったと確信を持って言える。コンテンツの深化、これほど嬉しいことはない。信仰心が極限に達した。ありがとうダンキラ。万全の準備を持って臨んだ自分を誇らしく感じた。

そしてこれは、同人女の戯言ではあるけれど……

見たかったもの、ほしかったものがずっとあった。それを求めて、二次創作をしてきた。果たしてそれらが想像を遥かに上回るクオリティで、わたしの矮小な脳では決して思いつかないようなかたちで、目の前にあった。それは紛れもなく、10か月以上に渡る幻覚の日々があってこそ味わえる、わたしの、わたしだけの、至高の幸福だった。

 

推しカプは踊る、されどダンキラは続く

これは昨年九月のツイートだ。目算を超える濃度のエトワが来て、果たして、今日もわたしは生きている。

9章を読んだら二次創作できなくなるかもしれないな、なんて思っていた時期もあったが、多少のスランプはあったものの、今日も元気に妄想し、ダンキラしている。

 本件を通じて思うことがある。それは能動的であることで、消費はさらに楽しくなる、ということだ。

アクティブ・ラーニングという言葉がある。学習法のひとつで、単に教科書を読むだけでなく、自分なりに要約したり、時には疑ったりすることで、学習内容を血肉にするというものだ。

二次創作をしたり、あるいはしっかりと原作を読み込むことは、このアクティブ・ラーニングに似ている。二次創作の是非については意見が分かれるし、それをここで論じるつもりはない。けれど少なくともわたしにとっての二次創作は「予想し続けること」であり、コンテンツを能動的に消費する手段のひとつだ。そしてそのお陰で、このダンキラという素晴らしいゲームの素晴らしい新章を、ここまで完璧な形で楽しみ尽くすことができた。この幸福に巡り合わせてくれた、この世のありとあらゆる縁――フォロワー、友人、家族、推しカプを描(書)いてくださる神々、ダンキラの制作スタッフ、コナミの偉い人、そして晶と蛍――に感謝してもしきれない。本当にありがとう。

ダンキラの今後が楽しみだ。

次の章が楽しみだ。ノエルパパの真意が気になる。またTOXICの掘り下げがあると期待している。蓮太郎は 8章で一度新規絵があったとはいえ、描写は限られていた。恐らく今後ギンコとの絡みで掘り下げが来ると予想している。新規絵と言えば、ソラは7章であんなに活躍したのにスチルがない。思うにソラのさらなる活躍が今後にあるため温存したのではないか。キラートリック、そしてワークスが単なる特殊モーションと楽曲を指す言葉ではないことはこれまでも示唆されていたが、この9章に来てその可能性が大きく羽ばたいたように思う。ダンキラの制作元であるKONAMIの代表作・遊☆戯☆王では古代エジプトや自らカードを創造する決闘者が登場する。ダンキラだって、キラートリックで宇宙を救ったっておかしくはない。奇しくも、推定主人公枠の朝日ソラのモチーフは『太陽』、推定メインライバル枠の月光院ノエルのモチーフは『月』、そしてふたりのソウルリンク名は、そのまま『太陽と月』である。

正直、9章のことはどんなに言葉を尽くしても上手く語れなくて、涙が出るほど悔しい。この激情で胸が痛い*4。最近やっと自覚したが、わたしは日本語が上手くない。

けれど焦る必要はないだろう。言葉にできないなら、それを絵なり同人誌なりで、ゆっくり昇華していけばいい。幸運にも神様はわたしに、ほんの少しではあるが、絵が描ける能力をくださったのだから。

焦る必要はない。そう、素晴らしいことに、ダンキラはこれからも続くのだ。

ダンキラの末永い繁栄を願い、朝日ソラ君の言葉を借りて、この日記を終える。

ダンキラ、しようぜ!!

公式Twitter→ 公式「ダンキラ!!!」配信中! (@dankira573) | Twitter

公式サイト→ ダンキラ!!! - Boys, be DANCING! - 公式サイト

DLはこちらから→ http://app.adjust.com/gp226t9

 

 

【余談(ネタバレあり)】

上手く書けないかもしれないが、9章について少し語る。まずは挿入ダンキラについて。わたしはゲームの場合、システムとシナリオとが調和していると感動するのだがその点で今回は挿入ダンキラの使い方が非常に上手いと感じた。1度目の挿入ダンキラ、FOSが来るかと思いきやエンジェリック・ノエルが繰り出される下りは驚いた。そしてその驚きはそっくりそのまま、あのストーリー内でキャラクター達が味わった衝撃であった。コーチとして物語の中に入ったかのような臨場感があった。そして2度目の挿入ダンキラ――蛍火の美しさ。「影宮 蛍らしくない」と評する蓮太郎のセリフが印象深い。「ブラック・サイクロン」に代表されるように、蛍のキラートリックは威圧的でダークな雰囲気のものが多い。それは日頃、ダンキラで浴びるほど蛍をプレイしているからよく分かっている。思えばあれは、自身を守る殻のようなもの、影宮蛍として振る舞いに他ならなかったのかもしれない。その殻の内側にひそむただの蛍はとても優しくて、それを見抜いてそばに居続けたのが晶だった。その殻に惑わされず、過たず蛍の実力を欲したのがノエルだった。このふたりがいたからこそ、蛍は真の自由を勝ち取ることができた―――そんな彼の成長が、他でもないキラートリックという形で、ドラマチックに表現されたことに強く感動した。

晶と蛍の関係性について。コミカライズ版やイベストやソウルリンクストを読んでいると目が曇りがちなのだが、メインストだけを読むと、実は驚くほど蛍は晶に対して……なんというか、当たりがキツい。晶があの調子なので、キツく当たる蛍とそれを強引にポジティブ解釈する晶というかたちでギャグにできてはいるものの、これが相手が晶でなければ大変なことだ(だからこそ蛍は晶に対しキツいとも言え、それは一種の信頼、好意的に解釈するなら一種の甘えだと見ることもできる。晶蛍萌えはこの文脈に拠って立っている)。もちろん、50ストやコミカライズ版を見れば、晶の存在が蛍にとってなくてはならないもので、その眩いばかりの明るさにどれほど救われているか痛いほどわかる。コミカライズ版やイベストやソウルリンクストを読んでいる我々は、影宮のけーちゃんがどれだけ晶のことが好きで好きで好きで好きでたまらなくていつも皮肉ばかり言っている彼が実際のところ青髪ツンデレ幼馴染ヒロインなのだということをよく知っている(※諸説あります)。だが、それはあくまでサブストーリーなのだ――――が、ここに来て9章で、じっくり丁寧に「蛍はこんなに晶のことが大好きなんですよ~」としっかりフルボイスで描写され(過去回想まであり、しかも初遭遇の場面がお花畑ときている!!)、そして、その友情(世界はそれを愛と呼ぶのですが)で遂に困難に打ち勝ち、人間的に成長するまでが描かれた。厚い友情の物語であり、少年の成長物語だった。ああ努力・友情・そして勝利! そして……これは推しカプに目が濁った人間の妄言だが、どうしたってこれは、鮮烈なまでに、晶と蛍の恋の物語でもあった。

晶についても語らなければならない(わたしは一応晶最推しなのだが、最推しゆえに四六時中考えているので、一周回って文章にすることを端折りがちである)。晶ってめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃ光だしけーちゃんのこと好きじゃん?????????って思った。はーかっこいい。結婚して(蛍と)。以上です。

*1:紫藤晶はやや特殊だと考えているので、ここでは除外している。

*2:必殺技的なアレであるキラートリックが報酬キャラに備わっていなかった。これは今までにないことだ。昨今の公式アカウントフォロワー漸減傾向、モーション流用の多さも相俟って、運営の厳しさを嫌がおうにも感じさせられた。生まれて初めてスマホゲームにご要望メールを送った。

*3:ノエルのキャラ掘り下げはこんな序盤でやってしまうには勿体なさすぎる。

*4:Heatbeat Blastの歌詞より。